子供の日焼けと将来のシミ予防 ~ 子供たちが将来シミで後悔しないために

将来のシミ予防のために子供の頃から紫外線(日焼け)対策をすることが重要であることは、専門家の間では半ば常識として言われています。

 

しかし、今だに真っ黒に日焼けした小さな女の子を街中で多く見かけることから、子供の頃からはじめるシミ予防の重要性が依然として十分に認知・対策されていないことを実感します。

 

多くの女性たちがシミに悩む今、子供たちまで将来私たちと同じようにシミに悩まされることがないように、このページでは子供の日焼けとシミ予防について、詳しくお伝えしてまいります。

 

日焼け・紫外線対策、子供の頃こそ重要な理由

実は、成長が進んでから浴びる紫外線よりも、子供の頃に浴びた紫外線の方が生涯にわたる影響が大きいことが以下の3つの研究からわかっています。

 

研究結果①オーストラリアの移住時期による比較調査

まず1つ目の研究結果はこちらです。

子供の頃の紫外線の影響で、皮膚がんの発生率が3~5倍も違ったという驚きの結果です。

 

オーストラリア (ニュージーランドとともに皮膚がん発症率が世界一高い) に移住した白人を調査として比較した結果、0歳から10歳の間に移住した人は、10歳以降に移住した人に比べ、生涯での皮膚がんの発生率は3~5倍も高かった。(*1)

 

研究結果②マウスの紫外線発がん実験

続いてのマウス実験も同様です。

小さい時に紫外線を浴びせたグループの方が、皮膚がんの発生率が高かったとのことです。

 

若い週齢時に大量の紫外線を浴びた群と、成長後に大量の紫外線を浴びた群で、皮膚がんの発生率を比較した結果、生涯で紫外線を浴びる量が同じであっても、若い週齢時に大量の紫外線を浴びたマウスの方が、皮膚がんの発生率が高かった。(*2)

 

研究事例③2歳と4歳の姉妹の例

3点目は、色素性乾皮症(皮膚がんの発生率が極めて高い疾患)の姉妹の事例です。

姉妹で見た時、幼少期に浴びた2年多く紫外線を浴びた姉の方は、がんの発症が10年も早くなってしまったということです。

 

皮膚がんの発生率が普通の人の数千倍高い色素性乾皮症の姉妹が、それぞれ妹2歳、姉4歳の時期から徹底して光を浴びないようにした。その結果、2歳から光を浴びないようにした妹は、23歳で皮膚がんが発症することとなったが、幼少期に妹より2年多く日光を浴びた姉は、妹より10年も早い13歳で皮膚がんが発症することとなった。(*3)

 

この3つの調査結果からも、大人になってから以上に、幼少期を含む子供の頃にこそ紫外線対策を行うことが非常に重要であると言えます。

 

子供が日焼けをする(紫外線を浴びる)ことの意味

それでは、なぜ子供の頃の方が、日焼けをすることのリスクが高いのでしょうか?

 

それは、紫外線を受けた際に私たちの体の中で内面的に起こっている作用にあります。

 

DNAが破壊、誤ったDNAとして修復され、それがシミに

体の中では日焼けをする(紫外線を浴びる)ことによって、皮膚を作るための設計図(DNA)が破壊されます。

そして、その壊されたDNAは、人間本来の再生能力によって修復されますが、その修復の際に時として誤ったDNAが作られてしまいます。

 

その結果、この誤ったDNA(皮膚の設計図)に基づいて皮膚細胞が作られることによって、シミになる可能性が高くなってしまうのです。

 


紫外線によって、シミにつながる誤ったDNAが作り出されてしまう。これが問題

 

子供の頃は細胞分裂が盛んであるため、一層問題

また、重要なことは、子供の頃は成人に比べて細胞分裂が盛んであることから、紫外線によってこの誤ったDNAを高頻度で作り出してしまう点にあります。

そのため、子供の頃の方が浴びる紫外線による影響が大きくなります。

 

従って、将来的にシミにつながるような皮膚細胞を極力生みださないようにするためには、誤った設計図(DNA)を生みだす結果となる紫外線の影響を子供の頃からできるだけ少なくすることが重要となります。

 

毎日浴びる紫外線量の差で20歳もの違いが

なお、紫外線量の地域による差で、シミのレベルが20歳分も異なるという研究結果もあります。

 

秋田と鹿児島の女性をシミの状況から比較した 市橋 正光 氏の研究によると、鹿児島の女性は40歳頃には、秋田の女性の60歳と同程度のシミのレベルになるという結果が示されています。(*4)

 

これは、年間の紫外線量が1.6倍異なるという研究上の仮定による差ではありますが、浴びる紫外線の量によって20歳も早くシミの形成が進むことを示すものとなります。

 

この研究結果からも、日々の紫外線を浴びる量がどれほどシミの形成に大きく関わるかが良くわかりますね。

 

特に、男性と比較して女性の場合はシミの形成がQOL(クォリティ オブ ライフ:生活の質)に大きく影響することから、女児が成人してからシミで後悔することのないように、小さな女児を抱える保護者は特に注意する必要があります。

 

子供の日焼け・紫外線対策の方法

それでは最後にまとめとして、子供の紫外線対策の具体的な方法です。

 

まずは、物理的に直射日光を避けるようにすることが重要です。

一例として、できるだけ日陰に入るように子供に伝えておくことや、ツバの大きな帽子を用意してあげることが挙げられます。

また、プールでは水着だけでなくラッシュガード(できれば長袖)を用意してあげるのもポイントです。

 

さらに、そもそも極端に日差しが強い中での外遊びを避けることや、キャンプやレジャーの際にも子供だからといって無しにはせず必要に応じて日焼け止めを使用することも考えられます。

 

ただ、こうした日差し(強い紫外線)を避けることはもちろん重要ですが、実はシミという点に関して言えば、弱くても毎日少しずつ浴びる紫外線がシミの形成に大きく影響していることから、そうした毎日少しずつ浴びる紫外線予防も大切であることが近年わかってきました。

 

この点(いわゆる光老化)については、以下のページでまとめていますので、チェックしてみてください。

光老化とは-シミ・シワ予防のために最も大切なこと。

2019.08.29

 

子供たちの将来のためにも、”子供の紫外線対策”。

ぜひちゃんと考えてあげてみてください。

 

Q&A

 Q  紫外線予防をすることでビタミンD不足になるということを聞いたのですが。

 A  この点については、専門家の上出 良一 氏 (東京慈恵会医科大学付属第三病院)は、「ビタミンD不足を懸念してあえて紫外線曝露を行う合理的理由はない(*6)」と述べています。ただ、身体上の理由等で外出ができないなど日を浴びる機会が極端に少ない場合は考慮が必要です。そういった点も踏まえて、環境省では、「日焼けするほどの「日光浴」が必要なのではなく、(中略)両手の甲くらいの面積が 15 分間日光にあたる程度、または日陰で 30 分間くらい過ごす程度で、食品から平均的に摂取されるビタミンDとあわせて十分なビタミンDが供給される」と指導しています。

 

参考文献

(*1)Armstrong BK, Kricker A:Sun exposure causes both nonmelanocytic skin cancer and  malignant melanoma.Environmental UV Radiation Health Effects Bfs-USH-171/95 (ed by Scopka HJ et al.) p.105~113, 1995
(*2)Forbes PD, Davies RE, Urbach F : Aging,environmental influences, and photocarcinogenesis.J Invest Dermatol 73:131~134,1979
(*3)Kondoh M, Ueda M,Nakagawa K, Ichihashi M : Siblings with xeroderma pigmentosum comprementation group A with different skin cancer development : Importance  of sun protection at an early age. J AM Acad Dermatol 31 : 993~996, 1994
(*4)Hillebrand GG, Miyamoto K, Schnell B, Ichihashi M, Shinkura R, Akiba S : Quantitative evaluation of skin condition in an  epidemiological survey of females living in northern versus southern Japan. J Dermatol Sci 27 (Suppl) : S 42~52, 2001
(*5)Drake LA,Dinehart SM, Farmer ER, et al:Guidelines of care for photoaging/photodamage.American Academy of Dermatology, J Am Acad Dermatol,35:462-464,1996.
(*6)上出 良一 皮膚科セミナリウム 92回 紫外線と皮膚 光老化 『日本皮膚科学会誌』 122(14). 3717-3723. 2012