トレチノイン、その使い方で本当に大丈夫?~大切な肌に根拠ある方法を

このページは、私がトレチノインの使い方について、関連する医学専門誌や論文等から調べた根拠のある内容をできるだけわかりやすくお伝えしたものとなります。

 

ただ、結論から先に言ってしまうと、トレチノインを使った治療法は皮膚の炎症という副作用のある「強い治療」である上、トレチノインの使い方が難しく手間も掛かるため、単に塗れば良いと安易に考えている人にとっては意外に大変な治療法であるということを、はじめにお伝えしておきます。

その点を理解した上で、当ページを読み進めていって頂ければと思います。

 

トレチノインとは、トレチノインの作用

まずトレチノインについてお伝えします。

トレチノインは、皮膚の新陳代謝を急速に促進させる作用があります。

 

そして、その作用によって、シミやニキビになっている部分の皮膚を入れ替えることができます。

 

トレチノインの写真トレチノインは黄色がかった色

 

ただ、トレチノインは、その新陳代謝を急速に促進させる強力な作用ゆえに、塗った場所に皮膚炎を起こす点が副作用として挙げられます。

 

そして、皮膚炎として炎症を起こした部位が改めて「炎症後色素沈着」と言ってシミのように黒ずんでしまうこともあるため、この炎症をいかにコントロールするかがトレチノインを使用する上でのポイントとなります。

 

そこで、ハイドロキノンという炎症後色素沈着を予防するための塗り薬を併用することが多いのですが、このトレチノインとハイドロキノンを併用した治療法を称して、トレチノイン・ハイドロキノン療法と呼ばれます。

 

ハイドロキノンについて詳しく知りたい方は、ハイドロキノンについてまとめたページはこちらにあります。

ハイドロキノンはやっぱり効果なし?その効能の実際

ハイドロキノンはやっぱり効果なし?その効能の実際

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法の概要

トレチノイン・ハイドロキノン療法は、トレチノインとハイドロキノン相互のメリット・デメリットを補完し合う、治療薬同士で相性の良い治療法となります。

 

ハイドロキノンのデメリットをトレチノインが補完する例
ハイドロキノンが既にできてしまっているシミに対してアプローチする効果がない一方、トレチノインは既にできてしまっているシミに対して直接アプローチすることができる

 

トレチノインのデメリットをハイドロキノンが補完する例
トレチノインはシミを排出する強い効果による副作用の結果、新たなシミ(炎症後色素沈着)を生み出すおそれがある一方、ハイドロキノンは新たなシミの発生を強力に予防する効果がある

 

そして、この治療法は多くのシミの症状(老人性色素斑、雀卵斑、肝斑、炎症後色素沈着、扁平母斑など)に有効であり、特に女性に多く見られる肝斑というシミの症状に対して有用性が高いとされています。(肝斑はレーザー治療による改善が期待できないため)(*1)

 

ただ、このトレチノインを使った治療法は、肌の急速な新陳代謝を促すことによって皮膚を強制的に活性化させるため、肌には軽い炎症(紅斑)が起き、皮膚もはがれるデメリットがあります。

この点についてはよく誤解があり、「なんとか皮膚に全く炎症を起こすことなく、シミを消すことはできないか」と考える人もいますが、そもそも炎症と皮膚のはがれ落ちを適度に引き起こすことこそがトレチノインを使った治療法の根本的な作用ですので、炎症が全く起きないのであればこの治療法が機能していないと言えます。

 

そして、それだけ強い治療法でないと、既にできてしまっているシミは消すことができません。

そこで、トレチノイン・ハイドロキノン療法は、いかに激しい炎症とせず、適度にトレチノインの副作用である皮膚の炎症をコントロールして肌を生まれ変わらせるかがキーポイントとなります。

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法の権威・生みの親

トレチノイン・ハイドロキノン療法の生みの親であり、これまでトレチノイン・ハイドロキノン療法を育ててきた権威と言える人物が、吉村 浩太郎 氏(自治医科大学附属病院 形成外科教授)です。

この吉村氏が、当時、東京大学 医学部 形成外科においてこの療法を生み出したことから、トレチノイン・ハイドロキノン療法は「東大式」と呼ばれることもあります。

 

吉村氏は、トレチノイン・ハイドロキノン療法に関する論文や医学雑誌への寄稿を多数行っていることから、当ページはこれら吉村氏によって書かれた内容を元にして多くの内容を記載しております。

 

トレチノインの副作用のコントロール

先述の通り、トレチノイン・ハイドロキノン療法を行う上で最重要な点は、トレチノインの副作用である炎症をいかにコントロールするかという点にあります。

同じ方法をとっても、人によって強い炎症を起こすケースもあれば、ほとんど炎症にならないケースもあります。

 

そこで、状況を見ながら様々な方法で炎症の程度をコントロールします。

そして、その炎症をコントロールする方法としては、以下の3種類が挙げられます。

 

トレチノインの使い方で副作用の炎症をコントロールする方法

  1. トレチノインの濃度
  2. トレチノインを塗る場所
  3. トレチノインを塗る頻度・期間

 

トレチノインの濃度

まずトレチノインの濃度についてですが、実はこの点は誤解が多い点です。

トレチノインは炎症を発生させやすいため、炎症が発生しないように濃度の低いものから使用していくといった内容を、インターネット上で調べているとよく見かけます。

 

しかし、トレチノイン・ハイドロキノン療法の第一人者である吉村 浩太郎 氏は、「トレチノインは強く、狭く、短期間使用する」ことを原則として示されています。(*4)

つまり、原則は高い濃度のものを使用して様子を見て、炎症が強すぎる場合は2日に1回とするなど頻度で調整するとしています。

 

また、トレチノイン・ハイドロキノン療法の具体的な実践内容を学術雑誌で公開している榛原総合病院でも、まず0.1%を基準とした上で明らかに反応が強い場合に0.08%~0.05%まで濃度を下げるとしています。(*5)

これは、はじめから濃度の薄いものを使用しては、適度な炎症の程度がどのあたりなのかわからなくなってしまうという理由があります。

 

つまり、インターネット上で見るような、おっかなびっくり濃度の低いものから使用していくというのは、心情的にわからなくもないですが、管理人が医学専門誌などを調べた限りではそのような方法が書かれた記載は見つかりませんでした。

 

トレチノインを塗る場所

トレチノインは、原則としてシミとなっている部分のみにごく少量使用するのが原則で、吉村浩太郎 氏の「強く、狭く、短期間」と紹介した言葉の通りです。

そのため、トレチノインはシミとなっている部分に対してピンポイントで塗ります。

 

炎症の範囲をシミ以外の部分に広げないために、シミでない部分には塗布しないように注意してください。

ただ、どうしてもシミの範囲にだけうまく塗れないという場合は、トレチノインを使用しない部分に先にハイドロキノンを塗布してトレチノインが広がるのを防ぐという方法を吉村氏は提案しています。(*4)

 

トレチノインを塗る頻度・期間

この点について、吉村浩太郎 氏は、頻度を抑えて2日に1回の塗布とする場合から、1日に4~5回の高頻度で塗布する場合まで、塗布する頻度を変えることで投与量を10倍以上調整可能であるとしています。(*4)

 

そして、例えば1か月の期間などある程度の期間を設けた中で、この頻度によって炎症の程度を調整しながら、適度な炎症の加減を調整するのが基本となります。

 

治療薬の塗り方

トレチノインとハイドロキノンの塗り方については、吉村浩太郎氏の提示する方法と榛原総合病院で行われている方法の両方を記載します。

 

頻度を除いてそれほど大きな違いはありませんが、0.1% のトレチノインと 5% のハイドロキノンではじめる点と、トレチノインが乾いてからハイドロキノンを顔全体に広く塗る点が双方の主なポイントです。

 

吉村浩太郎氏の提示する方法(肝斑の場合)

0.1%のトレチノインと、5%のハイドロキノンを1日に2回患部に塗布する。少量のトレチノインをベビー綿棒で注意深くシミの部分のみに塗って乾燥させた後、ハイドロキノンを指で広く顔全体に塗布します。(*4)

 

榛原総合病院で行われている方法

使用回数は夜間1回のみ、基礎化粧品の最後にシミの部分のみに0.1%トレチノインを塗布し、手のひらなどで乾いた状態を見てから顔全体に5%のハイドロキノンを塗布する。(*5)

 

 

治療の進め方 スケジュール

トレチノインは「耐性獲得」といって、継続使用していると効かなくなる特徴があります。

そこで、トレチノイン・ハイドロキノン療法を進める上では、そのようなトレチノインの特性を踏まえたスケジュールを立てて治療を進める必要があります。

 

以下は、トレチノイン・ハイドロキノン療法を行う標準的な時間軸です。以下の一区切りを1クールと呼び、2クール目、3クール目と続けていく流れが大筋の進め方となります。

 

トレチノイン・ハイドロキノンを使う1クール目の流れ

トレチノイン・ハイドロキノン両方の1クールの流れを図示したもの。トレチノインは1か月半、ハイドロキノンは2か月半使用する

 

ハイドロキノンを1か月長く使用する理由は、トレチノインの炎症がおさまるまで使用し、トレチノインの炎症によるシミ(炎症後色素沈着)の発生を予防するためです。

 

続いて、2クール目に入る場合、トレチノインは1か月間の休止期間を設けた後に改めて開始します。

なお、ハイドロキノンは2クール目に入る場合も1クール目から継続使用して構いません。
イメージとしては以下の通りです。

 

2クール目以降に続く流れ

トレチノイン・ハイドロキノン両方で2クール目に続く流れを図示したもの。トレチノインを1か月半使用したら1か月の休止期間を置いて2クール目に入る。ハイドロキノンは休止期間なしで2クール目にそのまま入る

 

ちなみに、こちらの流れは吉村浩太郎 氏が2007年に示した例となります。(*1)

 

おおむねこちらの流れを基本とするのが良いですが、必ずしもこの流れに限定する必要はありません。

なぜならば、吉村氏は直近の2016年段階に至っても、1クールのトレチノインの使用期間は2~8週間と幅が取って示されていることから(*4)、トレチノインを8週間(約2か月)使用する方法もあります。

 

また、休止期間も1~2か月と示されていることから(*4)、休止期間を2か月とる方法もあります。

ただ、1クールのトレチノインの使用期間は最大2か月程度で、休止期間は最低1か月は置くという点は重要なポイントとなります。

 

榛原総合病院の場合

榛原総合病院の場合は、1クールのトレチノイン使用期間を2か月とする方法をとっており、その1クールの前半の1か月は濃度を変えずに様子を見て、後半の1か月で必要であれば濃度を若干調整する形で進めているようです。(*5)

 

ただ、榛原総合病院は夜間のみトレチノインを塗布するとしていることから(吉村氏の例は1日2回の塗布を前提としている)、トレチノインの1日に塗る頻度の違いによって、1クールの期間も変わることが考えられます。

 

なお、榛原総合病院における濃度と期間の調整方法については、以下の通りです。

 

榛原総合病院における濃度と期間の調整方法

強い痛みを感じた場合は別として、すぐに塗るのを止めたりしない点がポイントです。

期間中はトレチノイン・ハイドロキノンの継続使用を基本として、シミの症状の改善が見られたからといって終了はせず、使用回数を徐々に減らして休薬期間に移行します。

そして、皮膚の炎症の状況が明らかに強い場合には、0.08%~0.05%までトレチノインの濃度を下げるが中止はせず、使用日数の間隔を空けて継続します。

また、適度な炎症もなくシミの症状の改善が見られない場合でも、トレチノインの濃度はすぐには変更しない。濃度を上げる場合は一度休薬期間を経た後、次のクールで濃度を上げるようにします。

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法の注意点

ここからはトレチノイン・ハイドロキノン療法の注意点です。

 

妊娠中・授乳中はトレチノインを使用せず、使用中は避妊する

まず、妊娠中・授乳中はトレチノインを使用せず、使用中は避妊する点がポイントです。

 

ビタミンAの過剰な摂取は奇形児を生み出す危険性がある(催奇性がある)とされています。

そして、トレチノインもビタミンAであるため、摂取の仕方によっては奇形児を生み出す危険性があります。

 

ただ、外用剤における経皮吸収は微量であるため、米国では外用剤においては危険はないと結論づけられています。(*5)

しかし、妊娠中や授乳中はトレチノインの使用を避けるのが無難で、トレチノインを使用している最中も避妊をしてください。

 

治療部位をこすることや、刺激を与えることは厳禁

続いて、治療部位をこすることや、刺激を与えることも厳禁です。

 

洗顔は洗顔剤を十分に泡立てた上で肌をこすらず緩やかに行い、スクラブやゴマージュといった肌に刺激の強い製品の使用も避けてください。(*1)

 

治療部位をこすることや、刺激を与えることは厳禁です。

 

また、治療部位への強い刺激があるにも関わらず、継続して毎日トレチノインを外用していた場合や、強いこすり洗い洗顔をしていた場合に、むしろシミの症状が悪化するケースがあります。(*5)

これは、元々トレチノインの使用によって皮膚が過敏になっているところへさらなる外部的な刺激を与えることによって、強い皮膚炎の状態となってしまい、その結果としてさらに濃いシミ(炎症後色素沈着)になってしまうためです。

 

治療部位に紫外線を浴びないこと

そして、治療部位に紫外線を浴びないことです。

この点についても、トレチノインの使用によって皮膚が過敏になっているところへ紫外線を浴びると、かえってシミの症状が強くなってしまう恐れがあるため、紫外線は必ず避けるようにしてください。

 

ステロイド剤を併用しないこと

また、ステロイド剤を併用しないこともポイントです。

 

ステロイドを使用することによって、メラニンの排出が悪くなると言われていることから、ステロイド剤の併用はしないようにしてください。(*4)

 

何も考えないとトレチノインの副作用である炎症を抑えるためにステロイド剤を使用することをしてしまいがちですが、吉村氏は推奨していません。

 

なお、トレチノイン・ハイドロキノン療法をうまく行えずに結果的に強い皮膚炎の症状となり、その治療を皮膚科で受けようになった場合には、ステロイド剤を使用されることがあります。

ただ、これはステロイドの併用ではなく治療のためであるため、あくまで特殊な状況といえます。

 

冷暗所での保管

なお、トレチノインの保管についても注意が必要です。

トレチノインは薬学的に不安定で特に光と熱に弱いため、冷暗所での保管が原則となります。これはハイドロキノンも同様です。

 

ちなみに、冷暗所で保管した場合でも、ものによってトレチノインは1か月で10%が分解してしまうと言われています。(*1)

参考までに、以下は個人輸入サイトで購入したトレチノインを試しに真夏の日中クーラーのない部屋に1週間放置しておいたものです。

 

適切な保管をせず変質したトレチノインの写真

 

購入直後の写真と比較すると随分違いますが、これだけ見るとそれほど変質しているようには見えないので、ご注意ください。

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法を行う具体的な方法

ここからは、トレチノイン・ハイドロキノン療法を行う具体的な方法をお伝えします。

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法を実際に行うための方法として、このページでは3種類の方法をご紹介します。

 

トレチノイン・ハイドロキノン療法を実際に行うための方法

  • 医師の処方によって治療薬を入手して実施
  • 個人輸入サイトで購入して独自に実践
  • オバジ・ニューダーム・システム

 

医師の処方によって治療薬を入手して実施

トレチノインは国内においては未承認薬であるため、トレチノインを入手するためには原則として医師の処方が必要です。

ただ、処方薬として入手するとなると、費用負担を気にされる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、私の方で大手の美容クリニックを見比べて、どの程度費用が掛かるか検討してみたところ、調べた中ではシロノクリニックが一番安くトレチノインを手に入れられることがわかりました。

 

シロノクリニック2,500円(5g)
湘南美容クリニック7,020円(グラム数不明)
聖心美容外科8,000円(10g)

 

ちなみに、個人クリニックをいくつか確認してみると、トレチノイン自体の料金はシロノクリニックより安い場合もありましたが、とにかく初診料が掛かるため(3000円や5000円など)、結果的には相応の値段になってしまう場合が多かったです。

 

個人輸入サイトで購入して独自に実践

ハイドロキノンもトレチノインも個人輸入で入手することができるため、私の方でも実際に個人輸入のサイトでハイドロキノン4% とトレチノイン0.1% のセットを購入して試してみることにしました。

 

届いたのは以下のようなものとなります。
海外から届く形でしたので、1週間ちょっと時間が掛かりました。

費用はトレチノイン・ハイドロキノンそれぞれ20グラムずつのセットで5000円程度でした。

 

個人輸入のサイトで試しに購入したトレチノインとハイドロキノン

 

容器がスマホサイズですので、届いたものは結構小さいです。

ただ、それでも 20グラム あるので、化粧品やクリニックで処方される5グラム のものよりはたっぷりです。

 

しかし、結論から言えば、私が試した場合では、販売されているものの中で最も濃度が高いもの(0.1%)を購入したにもかかわらず、トレチノインの特徴である炎症反応が皮膚に全く出ず、シミの状況は改善されませんでした。

 

個人輸入サイトで入手したトレチノインでは効果は出なかった

 

一応beforeと一週間後のafterです。
写真の写りの関係でafterの方が若干薄く見えますが、実際は特に変化はありません。

 

このシミに対して実際に行った内容は次の通りです。

 

私が個人輸入サイトのトレチノインで試してみたこと

  • まず1日1回の塗布で試してみた → 3日間試したが全く反応出ず
  • 1日2回の塗布に変更 → 3日間試したが全く反応出ず
  • エアウォールUVという保護テープを使ってラップする形で塗布 → 3日間試したが全く反応出ず

 

頻度を高めるのが原則であるため、そのように試してみましたが全く反応が出ないため、より浸透するようにラップする形で工夫してみましたが(非推奨)、それでも全く反応が出ませんでした。

 

ここまで反応がないと、個人輸入サイトで今回入手したトレチノインが本物かどうか気になりましたが、個人輸入サイトは法的にグレーな部分があるとも言われていますので、そのようなリスクも含めてご自身で判断の上、ご利用頂ければと思います。

 

ちなみに、この同じシミに対して、後日、フォトシルクプラス(光治療)を行った体験談が当サイトにはあります。

その内容については、以下のページから参照ください。

エルクリニック新宿でフォトシルクプラスを受けた口コミ体験談

エルクリニック新宿でフォトシルクプラスを受けた口コミ体験談

 

オバジ・ニューダーム・システム

オバジ・ニューダーム・システムもトレチノイン・ハイドロキノン療法の一種と言えるため、このページで簡単に紹介します。

 

オバジ・ニューダーム・システムは、化粧品に模した6種類の外用剤を主にワンセットとして使用して行うスキンケアシステムです。

ハイドロキノンを中心として構成されたラインナップに、通常トレチノインを併用して行うことから、これまで説明してきたトレチノイン・ハイドロキノン療法の一種とも言えます。

 

このオバジ・ニューダーム・システムは、主にニキビ治療の点で有名ですが、基本的な作用としては皮膚の新陳代謝を促進して肌を生まれ変わらせるトレチノイン・ハイドロキノン療法と同一ですので、シミに対しても適用があります。

そして、このオバジ・ニューダーム・システムが優れている点は、取り扱いの難しいハイドロキノンとトレチノインをひとつの一環したシステムとしてわかりやすく利用できるようにした点にあります。

 

このオバジ医師(オバジ・ニューダーム・システムを開発した皮膚科医)の功績は評価されるべきもので、このシステムの実績は世界的にも認められていることから、もしトレチノイン・ハイドロキノン療法の進め方に不安があるという方は、このオバジ・ニューダーム・システムに乗っかってみるというのもひとつの方法かと思います。

 

トレチノインを使った治療についてのまとめ・私の結論

ここまで、医学専門誌に基づいて徹底的に調べた内容と、私の方でもトレチノイン・ハイドロキノン療法を実際に試した結果をお伝えしてきました。

 

ただ、自ら徹底的に調べて、体験もした結果の結論としては、「美容皮膚科に行った方がいい」というものです。

 

私なら美容皮膚科でレーザーを受けることを選択する

当ページ冒頭にお示しした通り、トレチノインを使った治療は副作用のある「強い治療」です。

 

トレチノインの使用中は、トレチノインの効果によって患部が多少でも赤く腫れる状態となるため、数か月の期間中は当然人の目も気になる上、紫外線を当てないようにしたり、肌に刺激がないようにしたりと気を使うため、日常生活もある程度制限されることになります。

そのため、私としては、トレチノインを使用するよりも美容皮膚科に行って治療を受ける方が、難しいことや面倒なこと、リスクも少ないと考えております。

 

シミ治療であれば、レーザーを使ったシミ治療の方が効果がわかりやすいですし、シミ取りレーザーを受ける費用も安くなってきています。

(以下のページは私の実際のシミ取りレーザー体験談です)

 

湘南美容クリニックで、シミ取りレーザーを体験してきました!写真多めの詳細経過レポート

湘南美容クリニックで、シミ取りレーザーを体験してきました!写真多めの詳細経過レポート

 

また、ニキビ等で肌質改善をしたい場合も、フラクショナルレーザーでトレチノインと同様の結果を得ることができる上、カーボンピーリングもおすすめです。

 

聖心美容クリニックでカーボンピーリングを受けた私の体験談

聖心美容クリニックでカーボンピーリングを受けた私の体験談

 

これら、様々に方法はあるため、これら他の方法もしっかり踏まえた上で、トレチノインの使用を検討してみて頂ければと思います。

当サイトの情報が、皆さまのシミに悩まされない生活へ向けた一助となれば幸いです。

 

参考文献

(*1)吉村浩太郎 『形成外科』50(1):17~25,2007
(*2)青木律 『形成外科』50(1):63~69,2007
(*3)井口聖一,玉田崇和 『形成外科』50(1):27~33,2007
(*4)吉村浩太郎 外用治療の選択:何をどう使うか 『PEPARS』 No.110:22-26,2016
(*5)島本良子、松村宗、高原寛、工藤勝秀 われわれの行っている美白剤(トレチノインとハイドロキノンの外用剤)の作成方法と治療法の実際 『榛原総合病院学術雑誌』

吉村浩太郎 トレチノインを用いた美容皮膚科治療 『日本皮膚科学会誌』 114(13),2116-2118,2004
吉村浩太郎 顔のシミ-的確な臨床診断のための判断基準- 『形成外科』58巻1号 2015.1
杉本庸 他 にきび治療:オバジ・ニューダーム・システム 『PEPARS』 No.62:27-31,2012