私は美容関係の会社を経営しているのですが、教育関係の仕事もしている関係から、試しに組織論の手法を夫婦生活に応用してみたところ、妻のイライラや夫婦喧嘩をかなり抑えることができるようになったので、その方法をこのページではお伝えします。
「いつも奥さんにはニコニコしていて欲しい!」と心から願う旦那さんは、ぜひ参考にしてみて頂ければと思います。
「夫婦とは組織である」だから組織論が応用できる
それではまずはじめに、なぜ私が夫婦生活に組織論を応用できると考えたのかですが、それはチェスター・バーナードというアメリカの経営学者が「組織」として定義していることに対して「これ夫婦も組織と言えるんじゃないか?」と思いついたからです。
組織とは、
「二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の体系」である。
チェスター・バーナード
『経営者の役割』
この定義に当てはめてみると、夫婦も「二人が意識的に結婚という仕組みで結びついている」ことから、実は「夫婦も組織である」と言えることがわかりました。
夫婦は組織
組織(夫婦)の要素は、共通目的・貢献意欲・コミュニケーション
そして、重要なポイントはここからで、
さらにチェスター・バーナードは、組織の要素として次の3点を挙げています。
- 共通目的
- 貢献意欲
- コミュニケーション
ここから、この3要素(共通目的・貢献意欲・コミュニケーション)が欠けた時に夫婦喧嘩が起こりえるということが考えられたため、まずはじめに奥さんが怒ってイライラしたり夫婦喧嘩が起こる際の事例として、共通目的を見失ったパターンについて考えてみました。
妻のイライラ・夫婦喧嘩の原因: 共通目的を見失う
夫婦に共通目的がある状態
まず、夫婦に共通目的がある状態のイメージはこちらです。
共通目的へ向けて、一緒に前を向いています。
夫婦に共通目的がある場合のイメージ
これを、例えば「掃除」の例で考えてみます。
もし掃除について夫婦で言い争いになった場合でも、夫婦二人がより良い夫婦関係でいられるために掃除をどうすべきかといったように、「仲の良い夫婦でいたい」という共通目的をお互いが意識できているのであれば、それは夫婦喧嘩ではなく建設的な話し合いとすることができます。
例えば、「ルンバを買う」という選択肢が出てくるかもしれませんし、「どのようにすればお互いにとってストレスなく、負担を極小化しながら目的を果たすことができるようになるか」といった形で、それこそ様々なアイデアが次から次に出てきて、ともに前へ進むことができます。
夫婦が共通目的を見失った状態
一方、奥さんが怒ってイライラしたり、不毛な夫婦喧嘩が起こった場合について考えてみます。
以下のような夫婦喧嘩のパターン、思い当たるような人も多いのではないでしょうか。
単なる言い争いです…。
お互いが「相手への非難」に終始してしまっています。
この状況をイメージ図にすると、以下のように表すことができ、まさしく共通目的をお互いが見失った状態と言えます。
そして、これだけで終わってしまえば、まさしく不毛な夫婦喧嘩と言わざるをえません。
また、もし夫婦喧嘩にならずに奥さんだけ怒ったりイライラすればこんな状態で、夫を打ちのめすことそれ自体が目的となってしまっているケースもあります。
そうなると悲劇ですよね…
妻のイライラ・夫婦喧嘩を防ぐためには「共通目的」が必要
それでは、このようにならないためにはどうしたら良いのかを考えると、この点についてはピーター・ドラッガーから学ぶことができます。
ピーター・ドラッガーはアメリカの経営学者ですが、経営学は広義で捉えると組織の運営について研究する学問です。
そのため、ピーター・ドラッガーも経営学の大家として組織論に精通した立場から、この「共通目的」に関する言葉を複数残しています。
- 組織には挑戦すべき目標が必要である
- 共通の使命が組織を束ねる
- 組織に働く者は、共通の目標のために貢献する
この中で、ピーター・ドラッガーは「目標」や「使命」という言葉を使って言い表していますが、大枠の組織論という観点から「共通目的」と捉えることは十分できます。
当たり前の話:夫婦には共通目的が必要である
そして、このピーター・ドラッガーの言葉をひとつずつ見ていくと、一点目は「組織には挑戦すべき目標が必要である」というものがあります。
ただ、これだけ聞くと当たり前のように感じます。
しかし、これを夫婦に置き換えてみるとどうでしょうか。
夫婦にとっての「共通目的」をお互い認識できている夫婦はあまり多くないのが実情ではないでしょうか。
夫婦の共通目的は漠然としたものでもいい
ただ、こうなると「そもそも夫婦の共通目的って何?」という話になるのですが、ここで言う夫婦の「共通目的」は、そんなに大それたものである必要はないと考えています。
共通目的は「いつまでも夫婦仲良くいたい」でも何でもよくて、漠然としていてもいいのですが、少なくとも「共通目的」が夫婦で共有されていることが重要で、それがあるからこそお互いを非難し合うだけのような不毛な夫婦喧嘩を避けることができるようになります。
共通目的があるからこそ夫婦としての強固な結びつきが得られる
そして、ピーター・ドラッガーの「共通の使命が組織を束ねる」という言葉の通り、まさしく「いつまでも仲良くいようね」といったような「共通目的」があることによって夫婦としての結びつきが生み出されるものとなります。
共通目的があるからこそ夫婦が共に前に進める
さらに、「組織に働く者は、共通の目標のために貢献する」という言葉にある通り、共通目的に向かって夫婦がともに邁進するからこそ、手と手をとりあって前に進むことができるようになります。
夫婦喧嘩になりそうになったら、共通目的を確認し合ってみる
このように、改めて夫婦二人の「共通目的」を持つことは、意識してみないと中々できないです。
ただ、奥さんが怒ってイライラしたり不毛な夫婦喧嘩が起こりそうな時には、お互い冷静になって夫婦二人の共通目的を確認し合ってみてください。
「お互い支え合って生きていこう」
「仲良く穏やかに過ごしていこう」
「楽しい夫婦でいよう」
このような夫婦二人で認め合った共通目的を改めて思いだすことで、「いま行っている夫婦喧嘩は、私たち夫婦の共通目的に対して意味のあることなのだろうか?」とブレーキの役割を果たすことがきっとできるようになるはずです。
夫婦二人の共通目的を思いだしてみてください
そして、この夫婦の共通目的を常に確認・共有し合うことによって、奥さんのイライラも抑えられるようになっていきます。
(奥さんが怒ってイライラすることは夫婦の共通目的ではないはずだから)
妻が怒ったりイライラするのを防げるようになった私の方法 まとめ
ここまで、組織論を応用した方法として、妻が怒ったりイライラするのを防げるようになった私の方法を「共通目的」という点に基づいてお伝えしてきました。
もちろん、組織論の3要素からすれば、この上に貢献意欲をお互いがいかに持つかという点や、いかにコミュニケーションを深められるかということも考えられます。
貢献意欲については、例えば夫の側から家事を手伝うということかもしれませんし、色々考えられます。
また、コミュニケーションについては、別のページでアサーティブコミュニケーションという点についてお伝えしているため、こういったこともひとつの手法として考えられます。
いずれにしても、まずは夫婦にとっての共通目的を改めて考え直してみることが第一となるため、その共通目的を確認し合うところからはじめてみてください。
私はここに書いた方法で妻がイライラしなくなった
そして、私はここに書いた方法を意識して日頃から実践することで、ほとんど妻はイライラしなくなりましたし、多少言い争いになっても夫婦喧嘩にしないでさっぱり終れるようになりました。
そこで、このページでお伝えしたことで、皆さんの夫婦関係もより良いものにできればうれしく思います。
ぜひ試して頂ければと思います(^^)