シミの治療は、間違いなくシミ取りレーザーが王道です。
しかし、多くの人は「シミ取りレーザーのことがよく分からない」ということや「何となく恐い」ということで、シミに効くと宣伝する化粧品(効果なし)などに飛びついてしまい、安易にシミのレーザー治療を敬遠してしまっています。
実はこれ、非常にもったいないことです。
シミのレーザー治療については、しっかりと理解することができれば、それほど恐いものでもなく、納得して治療に臨むことができます。
そこで、当ページでは、レーザー治療に関して知っておくべきことの全てをできるだけわかりやすくまとめているため、シミの悩みから解放されるためにも、お役立て頂ければと思います。
◆Contents
シミ取りレーザー治療器の種類
それではまず、シミ取りレーザー治療を行うためのレーザー治療器からお伝えします。
シミ取りレーザーの機械って色々あってよくわからないと思うかもしれませんが、基本は同じです。
シミ取りレーザー治療器の主な種類
- Qスイッチ ルビーレーザー
- Qスイッチ アレキサンドライトレーザー
- Qスイッチ ヤグレーザー
- 炭酸ガスレーザー
この中で、炭酸ガスレーザーは、主にイボや出っ張ったシミに対して使われるものです。
そのため、ここではシミ治療に幅広く使われるQスイッチ系統のレーザーについて説明していきます。
この3種類のQスイッチレーザーで何が違うかというとレーザーの性質が異なる点はありますが、いわゆるシミを焼くという意味では大きな違いはないです。
そのため、シミ取りレーザーを受ける側の立場としてそれほど詳しく理解する必要はないですが、それぞれの相違を一応お伝えしておくと以下のようになります。
Qスイッチレーザーの違い
- Qスイッチ ルビーレーザー は、とにかくシミ治療に特化しているレーザー治療器で、1990年に登場してからいまだに現役で使用されているレーザー治療器の最古参です。
- 一方、Qスイッチ アレキサンドライトレーザーは、シミ治療だけでなく、レーザー脱毛にも使用できるような特性があるため、医療脱毛のクリニックに行くと使用されていることがあります。
- また、Qスイッチ ヤグレーザーは、レーザーの種類を複数切り替えることができる特徴があるため、通常のレーザー治療に加えて、「レーザートーニング」や「カーボンピーリング」と呼ばれる別の施術を行うことも可能なレーザー治療器となっています。
なお、Qスイッチ ヤグレーザーは、「QスイッチYAGレーザー」や「Q-Nd:YAGレーザー」、「ヤグレーザー」とだけ書かれている場合もあったり、「レブライト」・「スペクトラ」など機種名で書かれてあることもあるため混乱しがちですが、大枠としてはQスイッチ ヤグレーザーであることに変わりはありません。
また、Qスイッチ アレキサンドライトレーザーは、「QスイッチAlexレーザー」や「Q-ALEXレーザー」などと書かれている場合もあります。
シミ取りレーザーのメリット
続いて、シミ取りレーザーのメリット・デメリットについてお伝えします。
まず、シミ取りレーザーのメリットです。
【シミ取りレーザーのメリット】
- 特定のシミに対する有効性が実証的に確立している
- 手軽に利用しやすい
- 短期間で治療可能
続いて、これらひとつひとつのメリットについてお伝えします。
特定のシミに対する有効性が実証的に確立している
シミを治療するための医療機器は、レーザー治療器以外にも光治療のための機器も含めて新機種が次々と登場していますが、レーザー治療器の最古参と言えるQスイッチ ルビーレーザーがいまだに多くのクリニックで現役として使用されているのはなぜでしょうか。
その理由は、レーザー治療の基本となる技術が、既にほぼ確立されているためです。
特に、Qスイッチ ルビーレーザーは、シミとして最も多く見られる紫外線を原因としたシミに対して、明確な有効性が実証されている点があります。(*1)
そして、その有効性から、シミに対する他の治療法が有効でない場合にQスイッチ ルビーレーザーが使用されることも多く、美容皮膚科においてQスイッチルビーレーザーは、「伝家の宝刀」と呼ばれることもあるほど(*2)、シミに対する確かな効果が認められています。
また、シミ取りレーザーは1960年頃から研究が開始され、1990年頃から実用化されている古くから実績ある技術であるため、科学的には一定の安全性が十分検証されていると言えます。
手軽に利用しやすい
また、シミ取りレーザーは、その手軽さもメリットです。
Qスイッチレーザーを用いたシミ治療は、早ければ5分も掛からないで治療が終わります。
それは、一瞬のレーザーを複数回「パン、パン」と打つだけで治療自体が終わるためで、はじめてレーザー治療を受けた人は「えっ!もう終わったの?」という感想を持つくらい手軽です。
短期間で治療可能
そして、シミ取りレーザーは短期間で治療な可能な点もメリットとしてあります。
シミ治療は、シミ取りレーザー以外にも塗り薬(トレチノインなど)を用いて行うこともよくありますが、効果が目に見えるようになってくるのに目安として3か月程度掛かります。(*3)
また、シミ取りレーザー以外では、光治療(フォトフェイシャル等)というシミ治療の方法もありますが、光治療の場合は状況によって効果が現れるようになるまで複数回クリニックに通うこともあるなど(多ければ10回近く)、期間が長く掛かることがあります。
一方、レーザー治療は、施術して早ければ1週間後にはシミが消えた状態を確認することができるくらい、短期間でシミの治療が可能です。
シミ取りレーザー治療のデメリット
ただ、一方でシミ取りレーザーにはデメリットもあります。
【シミ取りレーザーのデメリット】
- 特定のシミに対して使用することができない
- ダウンタイムがある
- 戻りシミが発生する恐れがある
特定のシミに対して使用することができない
Qスイッチ レーザーは、肝斑(かんぱん)と呼ばれる女性に多く見られるシミの一種に対して使用すると、むしろシミの症状が悪化することがわかっています。
また、シミは様々な種類のシミが複合的に発生することも多く(*2)、Qスイッチ レーザーが有効なシミと、Qスイッチ レーザーを使用してはいけないシミの2種類が同じ場所にあるというようなケースも見られるため、そうした場合にはQスイッチ レーザーを使用することはできません。
そこで、そのような場合には、塗り薬(ハイドロキノンやトレチノインなど)や、飲み薬(トラネキサム酸)による治療を組み合わせながら、段階的にレーザー治療を行うなどの流れをとることもあります。
ただ、この点については医師の診断次第です。
よく素人考えで診断を受ける前から不安がる人がいますが、まずは医師の診断を受けてみることをオススメします。
ダウンタイムがある
また、シミ取りレーザーはダウンタイムがある点もデメリットとしてあります。
ダウンタイムとは、施術してから回復するまでの期間のことを言います。
Qスイッチ レーザーでシミの治療を行うと、概ね患部にかさぶたができることになるため、レーザー治療では主にこのかさぶたが落ちるまでの期間をダウンタイムと呼ぶことが多いです。
そこで、シミ取りレーザー治療後の患部は、外部からの刺激や紫外線から保護するために、保護テープ(遮光テープ・サージカルテープなどとも呼ばれます)を1週間~10日程度貼る必要があります。
そして、この保護テープは目立たないように肌色のものが多いですが、それでも顔に貼っていると目立ちます。
そのため、この期間中に人と接すると、「その顔の跡どうしたの?」と聞かれることがあり、特にシミの治療をしたことを周囲に知られたくないという人などは、このダウンタイムをいやがります。
ただ、この点については、エアウォールUVという目立ちにくい保護テープが登場してきて、気にならなくなってきました。
エアウォールUVを貼った状態
目立たない
このエアウォールUVについては以下のページで詳しい内容を記載しているため、もし興味のある方はこちらをご覧ください。
“戻りシミ”が発生する恐れがある
さらに、シミ取りレーザーのデメリットとして”戻りシミ”が発生する可能性がある点もデメリットとして言われることがあります。
この”戻りシミ”については、レーザー治療後に一旦はシミがきれいに消えたと思った頃に再度同じ箇所がシミのようになってしまう現象で、専門用語としては「炎症後色素沈着症(PIH)」と呼ばれます。
そして、この「炎症後色素沈着症(PIH)」は、顔に限らず腕や足などでもケガをした後にそのケガの箇所がシミのように色が変わる場合があるのと同様の現象であるため、人体の仕組みとして異常なものではなく、6ヶ月程度で自然に治ると言われています。
ただ、私や私の周囲のシミ取りレーザーを受けた人でこの戻りシミになった人は見たことないのですが、気にし過ぎてアフターケアで患部をいじったりすることによって逆に戻りシミになることもあると言われているため、受診者自身のアフターケアの問題も指摘されています。
この点については、当ページで後述している「アフターケアの項」で改めて説明しているため、そちらをご覧ください。
シミ取りレーザー後の再発について
また、戻りシミと関連して、シミ取りレーザー後の再発についても言われることがあります。
ただ、この点については、舞鶴公園クリニックの深谷 元継 医師が、結論として「一度レーザーで取ったしみは再発しない」と写真付きで説明しています。
そのため、戻りシミについてや再発については、気にする必要はないです。
このあたりのことについても”戻りシミ”のことと合わせて以下のページでまとめているため、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
シミ取りレーザーのメリット・デメリットまとめ
ここまで、シミ取りレーザーのメリット・デメリットについて、お伝えしてきました。
Qスイッチレーザーの中でも、特にQスイッチ ルビーレーザーは多くの色素性のシミに対して非常に明快な有効性を示すため、”切れ味の鋭いレーザー治療”であると言われることがあり、シミ治療の王道でもあります。
ただ、シミ取りレーザーには相応のデメリットもあります。
しかし、多くは理解不足によってシミ取りレーザーを過度に不安がっているだけという場合が多いため、Qスイッチ レーザーのメリットとデメリットをきちんと理解した上で治療を受けるのであれば、シミ取りレーザーはとても明快な治療法です。
シミ取りレーザー治療の料金・保険適用について
それでは続いて、シミ取りレーザー治療の料金についてお伝えします。
シミのレーザー治療は、いくつかの症例に対しては保険適用となりますが、多くのケースでは保険未適用(自由診療)となるため、はじめから保険適用に期待することはあまりしない方が良いです。
参考までに、以下に保険適用となるケースを示します。
シミ取りレーザーが保険適用となるケース
その上で、医師から保険適用の「扁平母斑」・「太田母斑」・「外傷性刺青」であると診断されることが必要です(*3)。
なお、保険適用と診断されても、「扁平母斑」の場合は2回まで、「太田母斑」の場合は5回までが保険治療の範囲となります(*6)
美容目的など多くのケースでは保険は適用されない
このように、保険適用となるケースは、あくまで”治療のため”の場合です。
そのため、美容目的でのシミ治療はほとんどのケースで保険が適用されないです。
ただ、保険適用されない(自由診療になる)と聞くと不安に思われる方がいるかもしれませんが、シミ取りレーザーによる治療は安ければ数千円程度で済むこともあり、私の場合ではこれまで1万円以上したことはありません。
ただ、人によっては、一度にまとめて治療したいと考えて、「あそこも!」「ここも!」といった形で一度にまとめてレーザーを打つこともあるため、そうなると合計で2~3万することもあります。
この料金に対していかに捉えるかという点については人によって判断が分かれますが、毎日鏡を見て溜息ついたり毎日気にしているくらいなら、仮に2~3万したとしてもさっさと受けてスッキリ気持ちよく過ごせるようになった方がよっぽどお金の使い方としては良いです。
シミ取りレーザー 料金の目安
なお、料金の表記の仕方はクリニックごとにまちまちですが、レーザー1ショット(約3mm~6mmの円形)あたりで表示しているクリニックもあれば、シミの大きさ(範囲)で計算するクリニックもあります。
レーザーワンショットあたりで表示しているクリニックで私が目安にする場合は、ワンショット2000円程度であれば十分妥当な金額であると判断しています。
安すぎるクリニックは注意
この点について、ごくまれにレーザー1ショットあたり数百円と、激安価格を提示しているクリニックもありますが、大体ウラがあると考えて間違いないです。
パターンとしては以下があります。
安すぎるシミ取りレーザー料金のカラクリ
- 治療費以外に初診料・再診料が別途必要となる
- テープ・軟膏代など治療後のアフターケアに必須のものに別途高い料金が必要となる
- 最初の1ショットや初回のみお試し価格で以後は通常価格で高くなる
このように、安いと思って飛びついたら意外に費用が掛かったということもあるため、その点は注意してホームページ等でよく確認してください。
なお、シミの大きさ(範囲)で計算する場合は、中々比較しにくいのですが、大体どこも1平方センチメートルの料金は提示してあるため、範囲で料金が表示されている場合は、1平方センチメートルの料金を基準に見てみるようにするとわかりやすいです。
ちなみに、色々見るのは面倒だという方は、以下のページでシミ取りレーザー治療を受けるにあたっての美容皮膚科選びのコツと、いくつか実際にシミ取りレーザー治療にオススメの美容皮膚科を紹介していますので、こちらのページを参考にして頂ければと思います。
シミ取りレーザーの痛み・麻酔の使用について
続いて、シミ取りレーザーの痛みについてです。
レーザー治療を受ける時に、痛みはどの程度か気にされる方は非常に多いです。
一般的にはゴムひもで肌をパチンとはじかれた程度と言われることが多く、私がシミ取りレーザーを受けた際も、まさしくその程度の痛さで決して我慢できない、辛いといったレベルではありませんでした。
麻酔の使用について
ちなみに希望をすればシールを貼るタイプの簡易な麻酔をしてくれるクリニックもありますが、麻酔が効くまで1時間程度が必要となるため、皮膚の浅い部分にできたシミに対してはおおむね麻酔なしが多いです。
あったとしても氷で患部を冷やして、痛みを感じにくくする程度の処置となります。
ただ、皮膚の深いところにあるシミの治療の場合は、かなりの痛みを感じるケースがあるようです。
この点については、診断の状況やクリニックによる対処にもよりますが、針で局所型の麻酔を打つ場合があります。
また、子供や恐怖心の強い人に対しては全身麻酔をする場合もあります。(*1)
シミ取りレーザー治療の流れ
それでは、シミ取りレーザー治療の流れです。
治療の流れはクリニックや、シミの症状によって異なりますが、ここではよくある一般的な流れをご紹介します。
シミ取りレーザー治療の流れ
- 受付 → 洗顔
- 問診
- 診断
- 事前打ち合わせ、事前説明
- 治療
- アフターケア
それぞれの詳細については、以下の通り説明します。
1.受付 → 洗顔
はじめにクリニックで受付をしてから、診断に入る前に洗顔をします。
クリニックへ行く際に、化粧や日焼け止めを塗って行ってよいか気にする人もいますが、診断の前には洗顔をするため、基本的にはクリニックへ行く時に化粧をしていったり日焼け止めを塗っていたりしても構わないです。
2.問診
そして、受付が終わると大筋の流れとして問診票を書かされますが、皮膚科医が問診で確認していることとして、医学専門誌上では以下が挙げられています。
- 初発年齢
- 生理の有無、生理痛の有無
- 生理周期、生理周期による症状の状態変化
- 子宮、卵巣疾患の有無
- 内服(抗凝固剤、金製剤、ピル)、外用している薬剤
- 妊娠、出産の既往
- 妊娠時の皮膚の変化
- 趣味、アウトドア作業の状況
- UVケアの状況、いつから始めたか
- クレンジング、洗顔方法
- アレルギーの有無
- 今までの美容治療歴
引用:山下理恵、近藤謙司 シミ治療の現状『PEPARS』No.110:1-12.2016
大別して、女性ホルモンに関することや、紫外線対策の状況、習慣など、シミの原因を診断するための内容が並んでいます。
特に注意は、ピルを服用しているとレーザー治療を受けることができない点にあります。
また、すでに日焼けをしている場合もほぼ受けることができないです。
理由として、「レーザー照射後の色素沈着や脱失等のトラブルが起こり易くなる」からです。(*2)
同様に、治療を受ける季節が紫外線の強い時期の場合も、治療の時期をずらすように言われる場合もあります。
3.診断
続いて医師による診断です。
シミ取りレーザー治療を受けるにあたっては、この診断が非常に重要な意味を持ちます。(*7)
そのため、クリニックによっては、シミ診断用の機器(ロボスキンアナライザー・ビジア エボリューション・アンテラ3Dなど)を用いてシミの状況を確認することがあります。
ただ、こうした診断用の機器はあくまで補助的な意味合いが大きく、治療を受ける側に対しての説明用や、納得感を高めるために使用しているというのが実態としてはあります。
実際、診断に際しては、とにかく担当する医師の経験や見識によるところが大きいため、治療を受ける側本人の思い込みは一旦置いておいて、素直に正直に、できるだけ正確な情報を伝えて医師の診断を助けるようにしてください。
4.事前打ち合わせ、事前説明
診断と合わせて医師から直接行われることも多いですが、別途看護師やスタッフなどから説明がある場合もあります。
レーザー治療を受けることにデメリットが大きいと判断される場合や、複数のシミの種類が複合的に発生している場合などは、飲み薬や塗り薬など他の方法によるシミ治療を提案されるなど、必ず事前説明があります。
ここで重要なポイントは、事前説明をしっかり理解して、納得した上で治療に臨むという点にあります。
シミに関しては、日常的に痛いや苦しいということがないため、意外に軽視して臨む人も少なくないようです。
ただ、そのように軽視して臨んだ結果、後で”戻りシミ”や再発の面などでクレームとなると、治療を受ける側・行う側の双方に不幸ですので、よく理解・納得した上で治療に臨むようにしてください。
5.治療
事前の医師による診断や事前説明等が終わって、実際の治療のところまで来ると、担当の医師にゆだねるのみとなります。
目の近くを治療する場合は、ゴーグルのようなものを装着する場合があります。
また、レーザー照射中は焦げたようなにおいを感じることもあります。
そして、対象となる箇所の治療が終わると、治療部位にワセリンや軟膏を塗り、保護テープを貼って終了となります。
6.アフターケア
アフターケアは治療を受ける側の責務として最も重要なポイントです。
治療後のアフターケアによって、”戻りシミ”や再発の結果が異なると言っても過言ではありません。
このアフターケアの方法については、クリニックによって方針は異なりますが、このサイトではシミのレーザー治療の第一人者と言える 葛西健一郎 医師の方法をお伝えします。(*1)(*5)
ポイントは以下の通りです。
アフターケアのポイント
- 治療部位のかさぶた(うすかわ)は、むけてもむけなくても必ず10日間はテープを貼って保護する。
- 基本的に保護テープは貼りっぱなしで、無理にはがさない。早くはがそうともしない。
- 保護テープが不意にはがれてしまった場合は、治療部位に刺激を与えないようにしながら、ワセリンや保湿用の軟膏を塗ってテープを貼りなおす
- シャワーで水に濡れることや、洗顔、化粧も構わないが、とにかく刺激を与えず、絶対にこすらないようにする
葛西医師は、”戻りシミ”の原因は患部への刺激・炎症にあるとして、”戻りシミ”を発生させないために、とにかく患部に刺激を与えない(こすらない)ことを最重要視しています。
そのため、葛西医師のクリニックでは、”戻りシミ”に効果があるとされる塗り薬(ハイドロキノン)を塗ることもしていません。
その理由としては、その塗り薬を塗る(人によっては擦り込もうとする)動作でさえも、治療後の敏感な肌に対しては刺激となりうるためとしています。
ただ、この点についてはクリニックによって方針が異なるため、各クリニックごとの指示を必ず守るようにしてください。
さいごに
ここまで、シミ取りレーザー治療について、メリット・デメリットから、料金・痛み・再発など、気になることも含めて全てお伝えしてきました。
シミ取りレーザー治療については、気にはなっていたけどよくわからないことが多くてモヤモヤしていたという方も多いと思います。
当ページがそのようにお悩みの方たちの参考になれば幸いです。
なお、このページの冒頭でもお伝えしましたが、当ページでは、シミ取りレーザー治療を受けるにあたっての美容皮膚科選びのコツと、いくつか実際にシミ取りレーザー治療におすすめの美容皮膚科を紹介しています。
もしこのページを見て、実際にシミ取りレーザー治療を受けてみたいと思った方は、以下のページも参考にしてみてください。
シミ取りレーザー治療のQ&A
Q シミ取りレーザー治療は、シミ以外の正常な部分を傷つけることはないのですか?
A 厳密に言うと他の正常な部分を傷つけないことはありませんが、「選択的光加熱分解作用」という理論によって、他の正常な部分の損傷を限りなく抑えて、シミの細胞(メラニンと呼ばれる色素がついた細胞)のみを破壊することができます。
この「選択的光加熱分解作用」という理論は、波長やパルスといったレーザーの特性を変えることで、レーザーが何に反応するか調整できるもので、例えば毛髪に反応するように調整されたレーザーを使用すれば、脱毛用のレーザーとなります。特に、Qスイッチ ルビーレーザーは、シミの細胞に反応するようにレーザーの特性を調整されているため、シミ取りレーザーとして主に使用されます。
レーザー機器といっても出すことができるレーザーの特性によって、何を破壊し、何を破壊しないかを分けることができるため、シミ用や脱毛用、さらにはイボ用やその他血管等の医療用など、様々な用途ごとに分かれる形となります。
参考文献・参考情報
(*1)葛西健一郎、酒井めぐみ、山村有美 『Qスイッチルビーレーザー治療入門』 2008
(*2)旭川皮フ形成外科クリニック 水野寿子 『HISAKOの美容通信2013年12月号』
(*3)笹屋晴代,川田暁 皮膚科診療における光老化の治療 『日本香粧品学会誌』 Vol.34,No3,pp.209-213(2010)
(*4)しみ・しわのお話 | 医療法人 沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院
(*5)葛西 健一郎 「シミの治療-このシミをどう治す?」 第2版 (2015)
(*6)山下理恵、近藤謙司 シミ治療の現状『PEPARS』No.110:1-12.2016
(*7)吉村浩太郎 顔のシミ -的確な臨床診断のための判断基準- 『形成外科』 58(1) : 23~31,2015