夫婦喧嘩ばかりしている夫婦と、仲良しの夫婦。
いったい何が違うのでしょうか?
その差、実は、アサーティブ・コミュニケーションが実践できているかの差にひとつの秘密があります。
夫婦喧嘩はイメージとして、「どちらかが勝ってどちらかが負ける」ということや「どちらかの主張が通ってどちらかは我慢する」といったような二項対立で捉えてしまいがちです。
一方、アサーティブ・コミュニケーションは「自分も相手も大切にする自己表現」という夫婦二人がともにハッピーになれるコミュニケーション方法となるため、夫婦関係を劇的に改善できる可能性があります。
アサーティブ・コミュニケーションとは
それでは、早速アサーティブ・コミュニケーションについてお伝えしていきます。
アサーティブ・コミュニケーションは、「自分も相手も大切にした自己表現」と言われます。
アサーティブ
自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方。
そして、この自分も相手も大切にする「アサーティブ」を理解するためには、「アサーティブでない」ことを理解するとわかりやすいです。
具体的には、「自分だけ」や「相手だけ」など片一方だけを考えてしまう自己表現のことです。
この2パターン(自分だけを考えてしまう・相手だけを考えてします)は、思い当たる節がある方も多いと思います。
攻撃的(アグレッシブ)
自分のことだけを考えて、他者を踏みにじるコミュニケーション
非主張的(ノン・アサーティブ)
自分よりも他者を常に優先し、自分のことを後回しにするコミュニケーション
攻撃的(アグレッシブ)、非主張的(ノン・アサーティブ)とは
そして、これを夫婦喧嘩の例で表すと、次のようなイメージとなります。
攻撃的(アグレッシブ)な妻と
非主張的(ノン・アサーティブ)な夫のイメージ
攻撃的(アグレッシブ)な夫と
非主張的(ノン・アサーティブ)な妻のイメージ
お互いに攻撃的(アクティブ)な
夫婦喧嘩のイメージ
アサーティブ・コミュニケーションは、攻撃的でも非主張的でもない第3の方法
このようなよくありがちな夫婦喧嘩のパターンに対して、アサーティブ・コミュニケーションは、攻撃的(アクティブ)でも、非主張的(ノン・アサーティブ)でもない、第3の方法となります。
自分も相手も大切にする
アサーティブ・コミュニケーション
アサーティブ・コミュニケーションを実現する方法
続いて、アサーティブ・コミュニケーションを実現するためのポイントをお伝えすると、「まず自分を大切にすること」が重要で、次に「相手を尊重すること」が必要となります。
順を追って説明します。
まず自分を大切にする
アサーティブ・コミュニケーションを実現する上で重要なことは、まず自分を大切にすることです。
キーワードとして、次の3点があります。
- あなたの考え、あなたの気持ちはあなたのもの
- 私たちには誰からも尊重される権利がある
- 私たちは誰でも過ちをし、それに責任を持つ権利がある
あなたの考え、あなたの気持ちはあなたのもの
辛い、悲しい…
そのように感じても、どうしても自分を押し殺してしまう人が少なくありません。
でも、そのような自分の気持ち、我慢しすぎる必要はないです。
辛くても、悲しくてもいい
なぜなら、「辛い、悲しい…」と、”あなたが”そのように感じたのであれば、それは誰からも侵されることのない権利です。
他の誰でもない”あなたが”そのように感じたのですから、誰に何を言われる筋合いもないのです。
だから、我慢しすぎないで、素直に自分の気持ちを表してみてください。
あなたの考え、あなたの気持ちはあなたのものです。
私たちには誰からも尊重される権利がある
また、相手に対してうまく意見や考えを言えず、どうしても「自分なんかが…」と思って差し控えてしまう人も少なくありません。
しかし、この点についても、”あなたが”そう考えたのであれば、それは一人の人間として”あなたが”考えたこととして尊重されるべきで、自分の考えを自ら卑下する必要はないです。
わたしは、わたし
これは、専門用語で「I(アイ)コミュニケーション」といって、「”私は”こう感じた」・「”私は”こう考えた」という形で、自分なりの意見を伝える方法があります。
私たちは誰でも過ちをし、それに責任を持つ権利がある
そして、そのように、自分なりに感じて、自分なりに考えたとしても、実際は自分の方が間違っていたということもあります。
ただ、この点については、結局のところダメなこともありますし、しょうがないものはしょうがないので割り切るしかありません。
どうしても、自分の過ちに対して必要以上に不安に思ってしまったりするのですが、むしろ絶対に失敗しない人なんてこの世の中にはいないんですから、あなたも必要以上に憂慮する必要はありません。
やるだけやってダメなら
しょうがない
だから、自分自身を許して、まずは自分を大切にしてください。
相手を尊重する
そして、このようにまず自分を大切にできたら、次に相手を尊重するということをしてみてください。
相手の考えや主張をはじめから受け入れることはできなくても、まずは相手の考えを”受け取って”みることはできるはずです。
そして、その上で、相手の立場をおもんばかってみるということ。
さらには、「自分はそんなこと言ってない」と言っても、「相手が聞いたことこそが事実」だったりするので、相手の気持ちに思いを寄せてみるということも考え方のひとつです。
こうして、まずは自分を大切にして、そして相手を尊重することによって、アサーティブ・コミュニケーションを実現することができるようになります。
そして、夫婦二人がこのように自分も相手も大切にすることで、夫婦喧嘩を防ぐことができるようになります。
夫婦喧嘩を、前向きな意見交換の場とするためのルール
また、夫婦喧嘩を単なる言い争いの場とせずに、夫婦喧嘩を前向きな意見交換の場とするためのコミュニケーションルールもあるため、合わせてお伝えしておきます。
この点については、狩野みきさんという海外の教育事情に詳しい専門家が、著書の中で「意見を交換する14のルール」を挙げているので、その中から夫婦喧嘩に対して有効な3点を引用します。
- この世に絶対的な正しい意見などない、と心得る
- 反論=人格否定、ではない
- NOは相手からの「質問」だと思おう
この世に絶対的な正しい意見などない
1点目は、アサーティブ・コミュニケーションに通じるところがあるのですが、「この世に絶対的な正しい意見などない」というものです。
この世に絶対的な正しい意見などないからこそ、自分の意見を大切にしつつ、相手の意見も尊重できて、建設的な意見交換をすることができます。
反論=人格否定、ではない。NOは相手からの”質問”だと思おう
また、2点目の「反論=人格否定、ではない」という点と、3点目の「NOは相手からの”質問”だと思おう」についても、この点を理解していれば、相手の意見に対してカーっと頭に血が上ることは少なくなります。
ついつい、相手から何かを言われると自分のことを否定されていると感じてしまう人が多いのですが、こうしたコミュニケーションルールを理解することで、穏やかに、建設的に話をすることができるようになります。
夫婦関係のコミュニケーションにも、きちんとしたテクニックが必要
ここまで、アサーティブ・コミュニケーションと、意見交換のルールについてお伝えしてきました。
夫婦関係のコミュニケーションというと、なんとなくで行っている人も多いと思いますが、夫婦関係は一番基本的なところだからこそ、改めてしっかりと夫婦のコミュニケーションについて考えてみて頂ければと思います。
そして、ここでお伝えしたようなコミュニケーションのテクニックをきちんと用いることで、劇的に関係性を改善することもできるため、ぜひ実践してみてください(^^)