【紀州のドンファン 本のネタバレ】経営論を楽しく生々しく学べる傑作本

「紀州のドンファン」と聞くと、生前の女遊びのことや、結婚した奥さんのことなど、ワイドショー的なことばかりにみんな注目してしまいますよね。

 

しかし、紀州のドンファンの著書をためしに読んでみたところ、実はこれがマーケティングの本として卓越した内容だったので驚きました。

 

 

大概、マーケティングに関する本は後付けの理屈が多かったり、かっこよく脚色されていて実際には役に立たないことが多かったりするのですが、紀州のドンファンはさすが自身の女性関係までも明け透けに語るほどなので、ビジネス上の成功体験談まで思いっきり赤裸々に書かれていて驚きました。

 

もちろん時代的な差異はあるとしても、金儲けの原理原則として非常に参考になる話が多く、正直、私がここ最近読んだ様々なビジネス書の中でも屈指の内容でした。

そこで、当ページでは、本を読んで私が「ビジネスマンとしての野崎幸助氏から学んだこと」として、マーケティングの極意行動力という観点からお伝えします。

 

紀州のドンファンについて、ワイドショー的な内容だけで理解した気になっていると、その本質を見誤るかもしれません。

仕事としてマーケティングに関わる人や、お金儲けの真髄を知りたいという人は、特にチェックしていってください。

 

紀州のドンファンから学べるマーケティングの極意

まず、紀州のドンファンの本で一番のハイライトは、コンドームの訪問販売を思いついて苦労しながら稼げるようになるまでのシーンで、正直、読み物としてかなり面白いです。

 

ここが紀州のドンファンの成功体験の原点で、このシーンを読むだけでもこの本を買う価値はあるのですが、ここでマーケティング(特にターゲッティング)の成功話が出ます。

 

コンドームの訪問販売をターゲティングで成功

当時、コンドームのニーズは高まる一方、まだまだ手に入れにくく、買うのも恥ずかしいとされた時代。

紀州のドンファンは、コンドームの訪問販売を思い付いて、お金を持っている人に売ろうと考えました。

 

そして、漁師の家に行きましたが、あえなく追い返されまくって大失敗。


漁師の狙いは大失敗

 

そこで、信頼する先輩に相談して、農家にターゲットを変更。

 

そうしたところ、この狙いがヒット!

コンドームの実演販売♡(意味深)の苦労はあるものの大成功となりました。

農家の奥様に狙いを変えて、大成功♡

 

このあたりの、なぜ漁師の奥様がダメで、農家の奥様だと大成功だったのかという理由については、人間心理を絡めたターゲティングの妙を感じると言うか、先輩の洞察に感心させられます。

この点については詳しく書きすぎるとネタバレが過ぎてしまうので、実際のところは本を読んでみてほしいのですが、「こう考えるもんかぁ」と納得させられます。

 

金融業もターゲティングで大成功

また、紀州のドンファンはコンドーム販売でしばし稼いだ後、その事業が次第に斜陽になってきたところで、本格的に金融業に参入します。

そこでも、はじめは中々うまくいかないので、ここでは寿司屋で偶然知り合いになった熊野さんという人に相談したところ、東京がいいだろうということで、ターゲットを丸の内の中央官庁の役人や一流企業の社員に定めて上京します。

狙いはお堅い公務員や一流企業の社員

 

そして、結果的にはこうしたお堅い仕事の人たちをターゲットにした点が、実は金貸業を進める中で信用調査や返済の面など様々な意味でメリットがあった上に、競合他社が目をつけないところだったということで、大成功となります。

 

このあたりの点についても、一口に「公務員」や「一流企業の社員」と言っても色々な人がいるということで、見栄を張る人がいたりウソをつく人がいたり、こんな人もいた、あんな人もいたという形で実際にリアルな人物が次々と登場してきて面白いです。

 

マーケティングのポイントではターゲティングがまず第一

ここで、紀州のドンファンの成功要素を見ると、他にも色々と要因はあるのですが、一番重要な点はとにかくマーケティングにおいてターゲティングこそがまず第一ということかと思いました。

 

私もビジネスで成功した人の話を聞くことが多いのですが、大体は「へぇー、そんな人が世の中には結構いるもんですねー」というターゲットを見事に見つけて、そこを巧みに突いて成功しているパターンが多いので、そうした私の知ってる成功者と紀州のドンファンとの共通点を感じました。

 

また、他にもマーケティングに関連する用語としてペルソナとか色々聞いたりもするのですが、この紀州のドンファンの本を読んでいて、もしかしてペルソナとかも結局こういうことだったりするのかなぁと理解が深まった気がしました。

 

マーケティングの次は行動あるのみ、紀州のドンファンはその工夫がすごい

ちなみに、紀州のドンファンがすごいのは、マーケティングを踏まえた上での、行動力・実行力のところです。

 

むしろ、マーケティングのところは、先輩に相談したり、熊野さんという人に相談したりで、実際は他人頼みです。

ただ、この紀州のドンファンがえらいのは、相談に乗ってくれる人がいるということや、困ったらそういう人にすぐ相談しに行くところで、その人柄や素直さというのが事業を展開していく上で非常に重要なことなんだと考えさせられました。

 

最初は、紀州のドンファンも、先輩や熊野さんから話を聞いただけの段階では半信半疑だったりするのですが、それを素直に実行するところがさすがで、しかもその行動・実行のところにひと工夫があります。

 

コンドーム販売では、スーパーカブや木賃宿を駆使しながら、実演販売♡(意味深)にもひるまずガンガン攻めていく点は、わかっていても中々できないと思います。

 

また、金貸業でも女子大生軍団♡をたくみに操る様子(おいしい思いをしつつも)などは、ある意味、人心掌握・人事労務管理の極意を感じました。

 

紀州のドンファンこと野崎幸助、その経営者としての姿勢から学ぶ

それでは最後に、ひとりの経営者・起業家として紀州のドンファンこと野崎幸助氏に学ぶべき点をお伝えします。

 

紀州のドンファンに関する連日の報道を見ていると、基本はスケベジジイの側面ばかりから見られがちで、著書の中でそれを本人も否定はしていません。

ただ、紀州のドンファンも著書を読んでみると、次のようなプラスに評価すべき側面もあることを知ることができます。

 

紀州のドンファンを経営者としてプラスに評価すべき側面
  • 毎朝3時ごろには起き出して仕事をこなす
  • 従業員が出勤する前に毎日、玄関・トイレ掃除
  • きつい仕事も誰より率先してやる
  • 顧客や従業員への愛・温情

 

また、儲かった時の周囲への対応や、国税への対応、弁護士への対応など、経営者としての対応も参考になるものでした。

 

このように、想像以上に学ぶことが多かったので、やはり一次情報に当たってみることは大切なことだと思いましたし、一面的な話だけじゃなく物事は両面見る必要があるということ、さらには偏見で判断してはいけないという思いを新たにしました。

 

紀州のドンファンの本はキンドル版がおすすめ

それでも、正直、本の内容としては、風俗を一通り経験してみてどうとか、CAを散々落とした方法とか、スケベな話が半分以上であるため、女性には全くオススメできないのと、書籍版を手に取るのは恥ずかしい面はあります。

 

ただ、本を持っていて恥ずかしい点については、キンドル版であれば恥ずかしいこともないです。

そこで、紀州のドンファンのように何十億も稼いでやろうという人は、気楽に読めてわかりやすく、商売やマーケティングについての実践的な学びを得ることができるこの紀州のドンファンの本をぜひ手に取ってみて頂ければと思います。